2021年7月9日つみたてNISAをそろそろ始めたいんだけど、具体的な手順が分からない…どの証券会社で口座を開設したらいいんだろう…
「将来を安定させるために、つみたてNISAを始めたい」と思いつつも、具体的なやり方が分からない投資初心者の方も多いと思います。
そこで、本記事では、初心者がつみたてNISAを始める際の手順や注意点を詳しくまとめました。
この記事通りに始めると、スムーズに口座開設・投資信託の購入までできるはずです。
ぜひ参考にしてください。つみたてNISAの始め方をざっくり
- つみたてNISAの始め方は5ステップ
- 必要書類は自分に合わせて選択できる
- 始めるタイミングは気にしなくて良い
- つみたてNISA口座を作るならSBI証券などのネット証券がおすすめ
- ネット証券だと手数料無料で、ネット上で手続きが完結できる
もくじ [表示]
つみたてNISAとは?始める前に確認したいこと
まず、つみたてNISAに関して基本的な情報をまとめておきます。
つみたてNISAとは
つみたてNISAは、年間40万円までの投資に対して最長20年も非課税になる、オトクな制度です。
通常の投資では、利益に対して約20%の税金がかかりますが、NISA口座で運用した場合は利益をいくら出しても税金はかかりません。
この制度ができた理由は、結婚や教育費など将来に向けた資産形成に取り組んでもらうためです。政府主導で2018年からスタートしました。
また、つみたてNISAは、金融機関によっては月額100円から投資することができ、投資初心者が始めやすい投資手法となっています。 つみたてNISAで買える商品つみたてNISAでは、インデックス型やバランス型の投資信託が購入できます。商品は金融庁が厳選しているので、初心者でも安心して投資を始められます。
つみたてNISAと一般NISAの違い
NISAには、つみたてNISAの他に一般NISAがあります。
この2つのNISAは、利益が非課税になることは同じですが、投資額や期間に違いがあります。
つみたてNISA | 一般NISA | |
---|---|---|
投資上限 | 年間40万 | 年間120万 |
非課税期間 | 最長20年間 | 5年間 |
投資商品 | 少ない | 多い |
投資商品に関しては、一般NISAはつみたてNISAが投資できない個別株式や不動産に投資することができます。
NISAとiDeCoの違い
NISAと似たような制度に、iDeCo(イデコ)があります。
iDeCoは、個人型確定拠出年金という一種の年金の愛称で、NISAと同じく投資に対して税制優遇が受けられます。
ただ、1つ大きな違いは、NISAはいつでも資金を引き出せるのに対して、iDeCoは原則60歳まで資金を引き出すことができないということです。
iDeCoの資金が引き出せない理由は、iDeCoが老後のための資産形成を目的としているところにあります。
結婚や学費など有事の際のための資産形成はNISA、老後のための資産形成はiDeCoと認識しておくと良いでしょう。
また、NISAとiDeCoは併用できるので、貯蓄や収入に余裕のある人は、両方を活用することもできます。
つみたてNISAを始めるタイミング
つみたてNISAは、タイミングを気にすることなく、いつ始めてもよいのが大きな特徴です。
なぜタイミングを気にしなくてよいかというと、つみたてNISAはそもそも長期の運用が前提の投資だからです。
過去の指標を見る限り、直近の価額が下落しても一定額をきちんと積み立てていれば、長期的にはリターンを得る可能性が高くなります。
投資初心者向けということもあって失敗する確率も少ないので、思い立ったらすぐに始めてもよいでしょう。
どこで口座開設できるのか
つみたてNISAは、銀行やネット証券で専用口座を開設することができます。
口座を開設する前に確認したいポイントは、金融機関が扱う商品ラインナップや積立頻度、手数料などです。
迷う方は、手数料も安くてラインナップも豊富な、ネット証券を選んでおけば間違いありません。
特に、口座開設者数No.1のSBI証券や、楽天が運営する楽天証券などから選ぶことをオススメします。
どんな書類が必要になる?
つみたてNISAの口座開設にあたって、本人確認書類等の必要書類が存在します。
例えば、SBI証券では、以下のような書類や情報が必要です。つみたてNISAで必要な書類や情報
- 写真付き本人確認書類
- 個人番号記載書類
- 振込先金融機関口座
特に、マイナンバーカードやマイナンバー通知カード、運転免許証などがあると、スームズに手続きができます。
また、本人確認書類では、パスポートや健康保険証などを組み合わせて使うこともできます。
つみたてNISAを始めるのにおすすめなネット証券
ここでは、つみたてNISAの口座を開設するのにオススメなネット証券を紹介します。
紹介する4つのネット証券は、どれも手数料が安く、商品ラインナップが豊富です。
また、口座開設の手続きがネットで完結できる場合も多いので、すぐに積立投資を始めることができますよ。
SBI証券
SBI証券の特徴
- ネット証券口座開設者数No.1
- NISA口座開設者数No.1
- 100円から積立できる
- つみたてNSIAの買付・売却手数料が0円(ETFを除く)
- 初心者でも挫折しにくい
SBI証券は、ネット証券で口座開設者数が1番多い、大人気の証券会社です。
つみたてNISAは月100円から積立可能で、少額から始めることができる点で、初心者でも挫折しにくい仕組みになっています。
また、つみたてNISAで扱う投資信託も170本以上あり、これは金融機関のなかでもトップクラスの本数です。
口座開設もネットで完結できるので、迷ったらSBI証券を選んでおけば間違いないでしょう。 おすすめ投資信託
- SBI-SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
- ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
- 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式
- 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
楽天証券
楽天証券の特徴
- 楽天ポイントで投資信託が購入できる
- 100円から積立できる
- 楽天カードのクレジット決済でポイントが貯まる
- 口座開設料・管理料0円
- つみたてNISA口座での買付手数料0円
楽天証券は、普段から楽天を利用している方にオススメの証券会社です。
楽天ポイントで投資信託、国内株式(現物)の購入ができ、150本を超える投資信託から選ぶことができます。
楽天カードのクレジット決済で引き落とすと、楽天ポイントが貯まり、さらに楽天ポイントで投資することもできます。
また、楽天証券の株アプリ「iSPEED」を利用することで、スマホでカンタンに資産状況をチェックできます。 おすすめ投資信託
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
マネックス証券
マネックス証券の特徴
- 月100円から分散投資できる
- 引落手数料が0円
- 資産設計ツールが使える
- マネックスポイントが貯まる
マネックス証券は、積立残高に応じて、マネックスポイントがもらえることが大きな特徴です。
このマネックスポイントは、amazonギフト券やTポイント、dポイントなどに交換することができるほか、株式手数料に充当することもできます。
そして、マネックス証券のもう1つの特典が、「MONEX VISION β」という資産設計のアドバイスツールを無料で使えることです。
このツールを使えば、資産構成が分析・診断され、自分に合わせた分散投資を個別にアドバイスがもらえます。 おすすめ投資信託
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
- ニッセイ外国株式インデックスファンド
松井証券
松井証券の特徴
- 100年以上の歴史がある
- 毎月100円から積立できる
- 運用サポートツールが豊富
- 150本以上の豊富なラインナップ
松井証券は、株主優待で有名な桐谷さんも愛用する、歴史ある証券会社です。
つみたてNISAの手数料が無料なうえに、毎月100円から積立てることができます。
また、「投信工房」という、積立投資のロボアドバイザーが利用でき、長期に渡って資産運用をサポートしてくれます。 おすすめ投資信託
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
- ニッセイ外国株式インデックスファンド
つみたてNISAの始め方5ステップ
ここでは、つみたてNISAを開設する具体的な手順を解説します。つみたてNISAの始め方
- 専用口座を開設する金融機関を決める
- つみたてNISAの口座を開設する
- 投資商品を選ぶ
- 積立額を決めて購入する
- 値動きを定期的に確認する
①専用口座を開設する金融機関を決める
つみたてNISAで投資を開始するには、専用口座を開設することが必要なため、どの金融機関で開設するかを決定します。
金融機関は年に1回なら変更できますが、変更の作業は少し面倒なので、ここは慎重に選びたいところです。
また、選ぶにあたって見るべきポイントは、手数料や最低積立金額、取扱商品です。
取扱商品はきちんとチェックする必要がありますが、手数料や最低積立金額に関しては、上記のネット証券から選んでおけば問題ないでしょう。
②つみたてNISAの口座を開設する
金融機関が決定したら、つみたてNISAの口座を開設しましょう。
今回は、SBI証券を例に取り、口座開設までの流れを説明します。SBI証券の口座開設の流れSTEP.1公式サイトから口座開設を申し込みます STEP.2本人確認書類を提出します STEP.3申し込み完了後、初期設定をします STEP.4口座開設完了通知の受取りをします
ネット証券は、口座開設がネットで完結できる場合が多いので、意外と早く口座開設が完了しますよ。
③投資商品を選ぶ
次に、つみたてNISA専用口座で購入する、投資商品を選択します。
運用益を大きく左右する決断なので、ここも慎重に選ぶ必要があります。
とはいえ、つみたてNISAの商品ラインナップは、金融庁が厳選した優れものばかりなので、大きく心配する必要はありません。
自分がどれくらいリスクをとれるのかを考えて、インデックスファンドや定期預金などから選ぶようにしましょう。
④積立額を決めて購入する
投資商品が決まったら、積立額を決めて購入しましょう。
積立額の上限である年間40万円におさまるように、毎月の積立額を決定してください。
40万円をすべて積み立てたい場合は、年2回まで設定できる「ボーナス月(増額月)」の制度を利用して、増額して積み立てる月を決めるのがオススメです。
⑤値動きを定期的に確認する
投資信託の購入が終わると、あとは基本的に放置でも大丈夫ですが、値動きは定期的に確認するようにしましょう。
とはいえ、チャートを毎日確認するようなことはしなくてもOKです。
数ヶ月に1度ほど、思い出した時に証券会社の管理画面をチェックして、資産状況を把握しておくくらいでよいでしょう。
つみたてNISAを始めるメリット
ここでは、つみたてNISAを始めるメリットについて解説します。つみたてNISAのメリット
- 利益に税金がかからない
- いつでも引き出すことができる
- 投資商品は厳選されている
- 少額から始めることができる
- 年齢の上限がない
利益に税金がかからない
つみたてNISAの一番のメリットは、運用益・分配益に税金がかからないことです。
例えば、毎月3万円を20年間積み立て、利回り3%で運用した場合、運用利益は約260万円になり、通常は約50万円の税金がかかります。
しかし、つみたてNISAでは、この利益にかかる約50万円の税金が0円になるのです。
税金のことを考えずに、コツコツ投資を続けられるのは、誰にとっても魅力的なポイントですね。
いつでも引き出すことができる
つみたてNISAで積み立てた資産は、必要時にいつでも引き出すことができます。
60歳まで引き出せないiDeCoと比べると、つみたてNISAは資金拘束がなく自由度が高いのが特徴です。
結婚や教育費、病気になったときなど、有事の際にすぐに引き出せる資産があるのは心強いですね。
投資商品は厳選されている
つみたてNISAは、政府推奨の制度ということもあって、その投資商品は金融庁が厳選したものだけです。
過去の運用成績が悪いものや、ハイリスク・ハイリターンなものは選ばれておらず、長期・積立・分散投資に適したものだけが選定されています。
よって、投資初心者の方が大きく失敗する確率は、低く抑えられていると言えます。
少額から始めることができる
つみたてNISAは、証券会社によっては月額100円から始めることができます。
投資初心者が投資をしやすいように、投資額のハードルをグンと下げているんですね。
いきなり何万円も投資をするのが怖いという方は、とりあえず数百円〜数千円くらい入れてみて様子を見るのも良いでしょう。 月100円から投資できるネット証券上記で紹介したSBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券は、月100円から始めることができます。
年齢の上限がない
つみたてNISAを始めるにあたって、年齢の上限はありません。
20歳以上であれば、誰でも専用口座で積立投資を始めることができます。
つまり、50代〜60代の人であっても、投資を始めるのに遅いと感じる必要はなく、老後資金のためにつみたてNISAを活用できるのです。
つみたてNISAを始める際の注意点
ここでは、つみたてNISAを始める際の注意点について解説します。つみたてNISAの注意点
- 元本割れのリスクがある
- 個別株や不動産は運用できない
- 非課税枠の再利用・繰越はできない
- 損したときに税制優遇を受けられない
- ロールオーバーできない
- 金融機関の変更は手続きが面倒
- 早めに引き出すと、複利の力を受けられない
元本割れのリスクがある
つみたてNISAも投資の一種なので、元本割れのリスクがあります。
もちろん、商品は厳選された良いものばかりですが、情勢によってはマイナスになる年もあることは理解しておきましょう。
また、損をしたからといって、早めに引き出してしまうと、長期投資の効果をなくしてしまうので注意が必要です。
個別株や不動産は運用できない
つみたてNISAは長期・安定の投資であるため、個別株や不動産投資信託(REIT)に投資することはできません。
個別株や不動産は、インデックス型の投資信託と比べて変動のリスクが大きく、投資初心者には向いてないんですね。
また、一般NISAでは、個別株や不動産に投資することが可能なので、リスクを取れる方は一般NISAを選んでもよいでしょう。
非課税枠の再利用・繰越はできない
つみたてNISA口座では、購入した投資信託を売却しても、その分の非課税枠が復活することはありません。
例えば、年間上限40万円のうち、30万円分の投資信託を購入して、その年に売却しても、30万円分の枠が再利用できることはなく、残りの非課税枠は10万です。
再利用ができると勘違いして、安易に投資信託を売却しないよう注意しましょう。
そして、つみたてNISA口座では、非課税枠を翌年に繰り越すこともできません。
例えば、上限40万のうち、20万円分だけしか枠を使わなかったからといって、残りの20万円分を翌年に繰り越すことはできないのです。
したがって、その年ごとに、非課税枠の残高に注意して運用するようにしましょう。
損したときに税制優遇を受けられない
つみたてNISAの口座では、損失が出た際に、他の利益と相殺して税制優遇を受けられる「損益通算」を適用することができません。
例えば、つみたてNISAの口座で30万円の損失を出し、他の口座で60万円の利益を出したとしても、差額の30万円ではなく、60万円に税金がかかってしまいます。
このように、つみたてNISAで出した損失は、他の利益から差し引けないということを覚えておいてください。
また、「損益通算」ができないため、損失を翌年以降に繰り越して利益から差し引ける「繰越控除」も、同様に使うことができません。
ロールオーバーできない
つみたてNISAでは、非課税期間の20年が終了した際に、翌年の非課税枠に移す「ロールオーバー」をすることができません。
非課税期間の終了と同時に、一般口座や特定口座に自動的に資産は移されます。
また、つみたてNISAと対象的に、一般NISAではロールオーバーをすることができます。
金融機関の変更はできるが、手続きが面倒である
つみたてNISAでは、年に1回なら金融機関を変更することができます。
しかし、その手続きは少し面倒で、利用中の金融機関から書類を発行してもらったり、次に利用予定の金融機関に送る書類を自分で記入したりしなければなりません。
全ての手順が終わるまでは、1ヶ月以上はかかる見込みです。他社からSBI証券に変更する手順
- SBI証券に書類請求
- 書類を受取り、利用中の機関に書類を申請
- 必要書類を用意・記入して返送
- 書類審査・税務署への申請
- 口座開設完了
早めに引き出すと、複利の効果を得られない
つみたてNISAは、長期的な運用を前提としているので、早めに引き出すと複利の力を享受できません。
例えば、毎月3万円を年利5%で運用する場合、年ごとに以下の表のようになります。
5年 | 10年 | 20年 | |
---|---|---|---|
積立金額 | 180万円 | 360万円 | 720万円 |
運用益 | 約24万円 | 約106万円 | 約513万円 |
このように、5年で引き出した場合と20年で引き出した場合では、運用益に天と地ほどの差が生まれます。
よって、つみたてNISAを運用する場合は、景気が悪くて損が出ていたとしても、いかに耐えて長期間待つことができるかが、重要なポイントになってきます。
まとめ:つみたてNISAを始めて資産を作ろう
つみたてNISAは、初心者が投資を始めるのにうってつけの投資手法です。
口座開設は少し面倒ですが、1回始めてしまえば基本的に放置でOKなので、まだ口座を開設していない人はネット証券を覗いてみましょう。
長期・安定・分散投資をすることで、皆さんの金銭的な不安が少しでも無くなることを願っています。
では、最後におさらいです。